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医師からの、『患者さんを不安にさせちゃうから、あまり副作用の説明をしないで』に薬剤師としてどう答えるか 008

  • 執筆者の写真: Shimpei Aoyama
    Shimpei Aoyama
  • 2017年2月14日
  • 読了時間: 2分

『患者さんを不安にさせちゃうから、あまり副作用の説明をしないで』

これは、私が調剤薬局で働いていた時に医師から電話で言われたことでした。

薬剤師A: 薬剤の副作用の説明をする→患者を不安にさせる→アドヒアランスの低下→治療効果の低下。

なるほど、筋も通っている。なら説明しない方がいい。

医師の言うとおりにしよう。

と考え、結果として、薬剤師Aは薬の副作用を説明しませんでした。

みなさんなら、どうするでしょうか?

実はこれは、倫理の問題です。

一番最初の記事で取り上げましたが、カナダの薬剤師が持つ重要な2つ目の柱、

プロフェッショナリズムにも通じるものがあります。

倫理というと、なぜか小難しそうです。

大学時代に倫理学という授業もありましたが、法律とかヘルシンキ宣言とか歴史的なことを勉強した記憶はありますが、実際に倫理をどう実践に生かせばいいのかさっぱりわかりませんでした。

そこで今回は, カナダで倫理について再度勉強し、実臨床でどのように導入していいか少しわかったので、みなさんにもシェアしたいと思います。

まず、今回は細かいことは抜きにして、上記の医師との副作用についてのやりとりについて書きます。

今回の薬剤師Aの対応は、パターナリズムに値します。

パターナリズム(英: paternalism)とは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益になるようにと、本人の意志に反して行動に介入・干渉することをいう。 日本語では家父長主義、父権主義などと訳される。(wikipediaより参照)

つまり、医師や薬剤師が、薬の効果や副作用をしっかり説明せずに、自分たちの治療の選択が絶対に正しいと判断し、患者に伝えることなく、決めてしまったのです。

本来であれば、患者の自立性 (Autonomy: 自分で自律的な意志を尊重すべきであるという考え方) を一番に考えるべきなのに、それが疎かにされてしまったということです。

倫理は非常に難しい話ですが、よくあることなのでその考え方を知っておくといいと思います。

今後の記事でもう少し具体的な話やジレンマについてお話していけたらなと思います。


 
 
 

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